みつる工芸

のれんとは
NOREN

のれんの歴史

発祥地は京都といわれており、平安時代末期には存在していたといわれております。
当時は風よけ、人目よけ、埃よけ、として使われていました。

デザインは無地のもが主でしたが、のれんの色で業種分けをしていたそうです。

鎌倉時代に入り、のれんに商家の商標などデザインされるようになり、
江戸時代には文字を白抜いたものが多く使われるようになりました。

現代にもそのデザインは受け継がれており、店名を白抜きするデザインが多く用いられております。

現代でこそ、色んないろののれんがありますが、当時は色で業種がわかったそうです。
ここでどの色がどんな業種だったのかご紹介いたします。

●紺色 :当時は藍染が多く、虫除けにもなった為に酒造業や呉服業が使用していました。

紺のれん

●柿色 : 島原の高級料亭や遊女屋で使用していました。

柿色
紅柄色のれん

●白 : 飲食店や薬種業などで使用されていました。

白色
生成色のれん

●茶色 : 煙草商に主に使われていました。

茶色のれん

色の使い分けを無視したのれんを架けていた業商は、笑い者になりお店を閉めることになったというくらい、当時は重要なルールだったそうです。注:現代ではそんな厳格なルールはありません!コーポレートカラーで作られたり、好みの色で作る方がむしろ一般的です。

のれんの形

のれんには色んな形がございます。現代ののれんの種類は半のれん、長のれん、水引にれん、日除けのれんの4種類が多く用いられております。標準的な長さは113cmとされていますが、基準となる長さですので、のれんを架ける場所でイメージも変わってきますのでご注意を。

半のれん

半のれん標準の長さの約半分くらいの長さのもの。
こちらは焼鳥屋さんで57cmより少し長めをご注文頂きました。
飲食店によく使われるサイズです。

長のれん

長のれん標準サイズ113cmより長めのもの。
丈が約160cmございます。
店内がほぼ見えない状態になりますので、目隠しや日除けをご希望のお客様におススメの長さです。

水引きのれん

水引きのれん水引のれんは約40cmほどです。
軒先の間口いっぱいにかけることが多く、店内を隠すというよりは、お店の装飾として使用することが多いです。

日除けのれん

日除けのれん日除けのれんは、切れ目を入れずに一枚の大きな布で作ります。
天地固定する為、長さは200cm以上になることがあります。
画像の様に、少し斜めに架けるので、傾ける角度によって長さも変わります。
採寸を間違えないように、お気をつけください。

江戸と上方ののれんのちがい

また、関東と関西では、のれんのつくりが微妙にちがいます。関東仕立ては、上部の竿を通す部分がチチ付けといってのれん棒を見せる仕様です。さらにのれんのかがりの部分(又の部分)は縫い合わせて仕上げます。ですのでのれんの上部と下部では横向きの寸法が数センチ変わってきます。これにより末広がりなどっしりとしたのれんのシルエットになります。

対して、関西仕立ては、上部はのれん棒を隠す仕様です。棒袋とか、袋縫いといいます。のれんのかがりの部分(又の部分)も千鳥掛けというお仕立てで仕上げます。千鳥掛けは見た目も上品で、布がヨレにくいお仕立てです。かつ、上部は袋縫いなのでシンプルで長方形に近い形ののれんとなります。

関東と関西の文化の違いがここまでのれんの姿を変える結果になったと考えると、古代に想いを馳せてしまいますね。私自身も非常に興味深い部分です。

とは言え、上述ののれんの色目の時と同じで、現代では東京だから関東仕立てだとか、京都は関西仕立てでないとあきまへん。なんてことはなく、店主様、施主様のお好みによるところが大きいです。みつる工芸ではご指定がない場合は関西仕立てでお作りいたします。

チチ付け(関東仕立)

袋縫い(関西仕立)

のれんとは。

店頭に使用するのれんは、お店の顔です。

お店のドアを開ける前に、店内を想像できるようなのれんを架けるのもよし。店内とは全く違ったイメージののれんをかけるのも、またギャップでおもしろいですよね。

シンプルなものから個性的なデザインまで、お客様と時間をかけて、ご納得いただけるモノを制作いたします。

のれんの事で迷ったら、一人で悩まずにまずはみつる工芸にご相談ください。

お問い合わせ、心よりお待ちしております。

のれん制作事例の一部

さらに多くの作例、制作事例はこちらの別注のれんのページをご覧ください

https://kakishibuzome.com/orders/