みつる工芸では様々な染色をおこなっています。ここでは、草木染めについてご紹介いたします。

草木染めの染め方は、植物などの草木を煮出して抽出した液体の天然染料に布や糸などを浸して染めていきます。さらに植物の色素が反応しやすい金属成分を含んだ液体(媒染液)に浸けることで、色をより鮮やかにし定着させます。媒染にはミョウバン(アルミ)や鉄を使用することが多いです。

草木染めの天然染料、媒染液

浸ける時間や染料のかけあわせで色々な顔をみせてくれます。自然由来のやさしい色味が特徴です。

草木染め 自然由来のストール

柿渋染め

柿渋には防虫・防臭・抗菌作用があると言われています。少し硬めの張りのある仕上がりになります。柿渋染めの持つ、生地を丈夫にする効果ゆえです。柿渋の濃度を薄めにして染めたタイプは淡い優しいヌードカラーに。柿渋と藍染の重ね染めもカラーの対比にメリハリがつきニュアンスに立体感が生まれます。
詳しい柿渋染めについてはこちら

草木染めの種類 柿渋染め(かきしぶぞめ)

蘇芳染め(すおうぞめ)

蘇芳染めは古来、インドより伝来し赤系の濃い色を染める染料として伝わりました。マメ科の小さな木で、花蘇芳の名で庭などにもよく使われる植物です。

草木染めの種類 蘇芳染め(すおうぞめ)

茜染め(あかねぞめ)

茜染めはインド茜、日本茜などの根っこを乾燥したものを使った染めです。抗菌作用があると言われており、古来は赤ちゃんの肌着などによく染められました。

草木染めの種類 茜染め(あかねぞめ)

ログウッド染め

ログウッドはメキシコ原産のマメ科の木です。日本では古来より黒染めの時に使われたり、禁色であった紫根染めの代わりに紫を得たいときに使われた染料です。

草木染め ログウッド染め

柘榴(ざくろ)染め

赤い実が多い事から、子孫繁栄、豊穣の象徴といわれる柘榴(ざくろ)。元々パキスタンやイランに野生し、平安時代に日本にわたってきた植物です。ざくろは漢方薬として、痛み止めや疲労回復薬に使われました。染色には、主に果実の果皮を使用します。 古来より藍等と黒染めの材料に使われたようです。赤みの黄色が代表色ですが、
アルミ媒染で黄色に染まったり、ベージュや独特の青味がかかった緑色も染められます。

草木染め 柘榴(ざくろ)染め

様々な素材の掛け合わせで何通りもの表情をみせてくれる草木染め。染めている時から仕上がりが楽しみになります。(シルクスカーフ 写真左:藍染め、中央:茜染め(曙色)、右:柿渋染めと鉄媒染)

藍染め、茜染め(曙色)、柿渋染めと鉄媒染)
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