お店の顔ともいえる”暖簾(のれん)”
例えば、ドアを開ける前に、店内を想像できるようなデザインにするもよし。また、店内とは全く違ったイメージのものにするのも面白いですね。みつる工芸では、シンプルなものから個性的なデザインまで、お客様と時間をかけてご納得いただけるものを制作いたします。ぜひ暖簾(のれん)づくりで迷いましたら、お気軽にご相談ください。

のれん制作事例より一部ご紹介
のれん制作事例より一部ご紹介

かたちについて

のれんには様々なかたちがあります。現代の暖簾の多くは、4種類(半のれん、長のれん、水引にれん、日除けのれん)が用いられています。また、長さは113cmが標準的と言われていますが、のれんを架ける場所によってイメージも変わるので、あくまで基準としてお考えください。

半のれん
長さ:標準的な長さ(113cm)の約半分くらい
よく使われる場所:飲食店
※写真の暖簾は、焼鳥屋さんで、57cmより少し長めのタイプをご注文頂きました。
長のれん
長さ:約160cm 標準的な長さ(113cm)より長めになります。
よく使われる場所:店内がほぼ見えない状態になるため、目隠しや日除けをご希望のお客様におすすめです。
水引きのれん
長さ:約40cm
よく使われる場所:お店の装飾として軒先の間口いっぱいにかけることが多いです。
日除けのれん
長さ:200cm以上になることがあります。※天地固定するため
※切れ目を入れずに一枚の大きな布で作ります。
画像のように、少し斜めに架けるので、傾ける角度によって長さも変わります。採寸にお気をつけください。

色について

現代では、様々な色合いの暖簾(のれん)がありますが、昔は色に関して厳格なルールがあったとか。その当時は、色の使い分けを無視した暖簾を架けていた業商は、笑い者になりお店を閉めることになったというくらい、重要なルールだったそうです。
しかし、現代ではそのようなルールはありません!お店や会社のロゴに合わせた色調や、お好みの色で作ることが一般的です。ぜひ注文のご参考までに、ご覧いただければと思います。

のれんの歴史

のれんの発祥地は京都といわれ、平安時代末期には存在していたと伝えられています。また、当時は風よけ、人目よけ、埃よけ、として使われていました。デザインは、無地のもが主流でしたが、色によって業種分けをしていたそうです。鎌倉時代に入ると、のれんに商家の商標などがデザインされるようになり、江戸時代には文字を白抜きにしたものが多く使われるようになりました。この技法は、現代にも受け継がれており、店名を白抜きするデザインが多く用いられています。


□ 関東と関西の暖簾(のれん)の違い

関東と関西では、暖簾(のれん)のつくりが微妙に異なります。関東仕立ては、上部の竿(さお)を通す部分がのれん棒を見せる仕様(通称:チチ付け)です。さらに、暖簾のかがりの部分(又の部分)は縫い合わせて仕上げるため、暖簾の上部と下部では横向きの寸法が数センチ変わります。これによって、末広がりなどっしりとした暖簾のシルエットとなります。

関東仕立て(チチ付け)

一方で、関西仕立ては、上部はのれん棒を隠す仕様です。これを、棒袋や袋縫いといいます。暖簾のかがり部分(又の部分)も千鳥掛けというお仕立て方法で仕上げます。千鳥掛けは見た目も上品で、布がヨレにくいのが特徴です。かつ、上部は袋縫いなのでシンプルで長方形に近いかたちの暖簾となります。
関東と関西の文化の違いが、暖簾にも現れると思うと趣深いですね。
現代では、上述の色と商業の話と同じで、東京だから関東仕立て、京都は関西仕立てなどのルールなく、店主様や施主様のお好みによるところが大きいです。みつる工芸では、ご指定がない場合は関西仕立てでお作りいたします。ぜひ、ご注文の際のご参考にしていただければと思います。

関西仕立て(袋縫い)
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