遠回りに大回りを重ねた展示会

そのほか

事業報告。先日東京ビッグサイトで「店舗・商業空間デザイン展2018」が開催され、みつる工芸は(私の長年の目標でもあった)単社出展しました。今回は建築士さんや建築のデザイン事務所さんや工務店さん、建材屋さんなど今までとは少し違った切り口、ターゲットでの出店でした。

 

となると、やっぱりこだわりたいのはブースのしつらえ。凝りに凝りましたよ(笑)

mm単位の指定にうんざり顔を隠せない、いや隠さない社長さんやコンセプトの説明不足で怒り出すスタッフなど、なかなかストレートには行かず回り道や大回りをしながらの実現でした。

 

 

東京ビッグサイト。夜はプロジェクションマッピングされていてきれいでした♪

什器の制作をお願いしたのはこの方。鹿児島の九州銘木さんの社長です。

お忙しい中、私の熱意ある(しつこめの)依頼を受けていただきました。

機械の名前を教えていただいたのですが失念してしまいました。。。なんでも0.1mm単位で木材を正確に加工できる機械らしいです。

諸元入力中。。。。

 

こうしてできたパーツに色を塗って、職人さんが組んでいきます。

 

こうして1パネル完成。今回のブースは12枚のパネルを組み合わせて作る計画なのでここからが本当の作業開始なのです。ご覧の通り、格子です。「糸屋格子」です。実はここにこだわりたかったんです。独自調査の結果のれんを引き立てるしつらえは格子が適しているのではないかという結論に達したので。以前、知り合いの京町家に住んでおられる方にお願いして格子のスパンを計らせていただいたときの資料が役立ちました。さらに!糸屋格子たるこの上部の子格子の隙間もしっかり再現しています。この隙間がポイントで、古来は繊維業の方々が手元に明かりを取るために格子の上部の隙間を多くとったのが由来だそうで、織屋さんや糸屋さんのシンボル的な格子に発展していったそうです。

みつる工芸の染色業なのでもちろん迷わず糸屋格子にしましたよ。

 

かなりすっ飛ばしましたが、12枚のパネルを九州銘木さんの作業場内で仮組みさせていただいたときの様子です。この時会期3日前!短納期でご苦労をおかけしました。

この後、輸送に問題が、、、2400x900x40mmのサイズが12個口。。。334サイズ!大手の運送屋さんは受け取ってくれません。トラックチャーターの見積を取りましたが輸送の予算の3倍以上。。結局、佐川さんの航空便で鹿児島〜羽田まで(九州銘木さんは鹿児島の会社なのです)、羽田からビッグサイトはワンボックスカーをレンタルして運ぶことにしました。

羽田貨物ターミナルで無事荷物を受け取り完了。はじめての羽田貨物ターミナルでした。

 

 

そしてビッグサイトへ。これまたはじめてのインパクトドライバーで本番の組み上げです。組み上がれば組み上がるほどに、コンクリートやプラスチックや金属が目立つ展示会場内で、天然素材中心のブースが周りと浮いていきます。浮けば浮くほどの妙な満足感が心地よく(笑)、しつらえは目論見どおりの素晴らしい出来になりました!

 

 

そして会期スタート。ご来場者の方も口々に「何屋さんですか?」「ブースが異質ですね(笑)」「はじめて見ました」等、つかみはオッケーなご意見をたくさん頂戴しました。「通常4ブース程度の広いブースで世界観を作っている方を取材するのですが、これ1ブースですよね」と業界誌の取材もしていただき、うれしかったです。

肝心の商談についても、初出展にしてはなかなかの結果で、これをステップにさらに頑張っていこうと決心したのでした。

最後になりましたが、展示会出展にあたり、什器を作ってくださった九州銘木様、空間デザインと設置にご尽力くださったOMのH様K様、京都商工会議所様はじめ、多くの方々のご協力があってこのような素晴らしい展示会にできたことを感謝いたします。ご来場の方々におかれましても新たなご縁をいただき、誠にありがとうございます。向寒のみぎり、お風邪にはお気をつけてお過ごしください。

 

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